注文住宅を建てる場合、まず必要になるのが家を建てる土地です。しかし初めての土地探しで「何から始めたら良いか分からない」「どこに行けばいいか分からない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。スムーズに理想の土地を見つけるためには、事前準備やコツを押さえておくことが大切です。
今回はマイホームを建てるための土地探しのコツや注意点について解説します。ぜひ参考にしてください。
注文住宅の土地探しの基本
まずは、土地探しの基本を押さえておきましょう。注文住宅の土地の探し方や流れについて解説します。
土地の探し方
不動産会社に相談する
土地といったらまず不動産会社が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
エリアの特徴を熟知している不動産会社に依頼すれば、街の雰囲気や最新情報など土地探しに役立つさまざまな話を聞くことができるでしょう。
また、インターネットに掲載していない、その不動産屋にしかない情報がある場合もあるでしょう。
ハウスメーカーに相談する
建築を依頼したいハウスメーカーが決まっている場合は、同じハウスメーカーに土地探しを依頼する方法があります。建てたい家の間取りやプランを実現できるような土地を探してもらえる可能性があります。
インターネットで検索する
インターネットは情報量が多く、さまざまな土地の情報を手軽に探すことができます。予算やエリアなどの条件に合う土地を見つけるには、同じような条件の土地の相場を知っておくことも大切ですので、下調べとして利用するのにもおすすめです。
直接足を運ぶ
家を建てたいエリアに直接足を運んでみるのも一つの手です。騒音や交通状況・周辺の雰囲気など、写真だけではわからないような情報を入手できます。まれにインターネットに掲載されていない土地が見つかる可能性もあります。
土地探しの流れや期間
土地探しの大まかな流れは以下の通りです。
1. エリアや予算を決定する
2. 条件に合った土地を探す
3. 土地の調査
4. 契約
5. 住宅ローンが下りるまでのつなぎ融資
土地探しにかかる期間は4〜12ヶ月といわれているので、家づくりを検討し始めた段階で早めにスタートしましょう。
土地探しの事前準備
事前準備をしておくと、土地探しをスムーズに進めることができます。ここでは必要な事前準備について詳しく解説します。
エリアと予算を決めておく
土地探しにおいて重要なのが、エリアと予算です。
どの辺りに注文住宅を建てたいのか、土地購入にかけられる予算はいくらぐらいなのかを最初に決めておけば、土地探しがスムーズに進められます。
エリアを決める際は、通勤や通学の利便性が良いエリアを探し、候補を複数挙げておくのがおすすめです。
予算は土地にかかる費用だけでなく、建物にかかる費用や手数料、税金なども考慮する必要があります。
希望条件に優先順位を付ける
土地に求める条件を出して優先順位を決めておくことも重要です。家族で話し合い、立地や周辺環境・注文住宅で実現したいことなど具体的な希望条件を考えてみましょう。
- 土地の広さは〇坪以上
- 駅から徒歩〇分以内
- 日当たりが良い
- 近くに大型スーパーがある
- 学校や公園が近い
- 同じ世代の人が多い地域
- 〇台分の駐車場スペース
- 家庭菜園ができる庭
- テレワークのための書斎
- 子育てがしやすい家
すべての条件を満たす理想の土地は簡単には見つからないため、譲れない条件から優先順位をつけましょう。希望条件を前もって整理しておけば、候補の土地が出てきたときに判断しやすくなります。
基礎知識を身に着けておく
土地探しのための基礎知識を身に着けておくことが成功のポイントです。もちろん分からない用語が出てきた際に、その都度質問しても問題ありませんが、その場で聞いてすぐ理解できない場合もあるため、予習しておくとスムーズでしょう。ここでは知っておきたい基礎知識について説明します。
建ぺい率・容積率
まずは、建ぺい率と容積率をおさえておきましょう。これらを知らないと、希望の大きさの家が建てられない可能性があります。
建ぺい率「その土地の面積に対して何割の面積まで建物が建築できるのか」を定めたものです。日照の確保や災害を防ぐ目的で、建ぺい率の制限があります。
容積率「その土地に建てることの出来る、延べ床面積の割合」を定めたものです。容積率には建ぺい率と同様に住環境を保つためだけでなく、人口制限をする役割もあります。
用途地域
建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールのことです。用途地域が定められていることで、静かな住宅地に商業施設や工場などが建てられないように制限されています。現在はまわりに商業施設や工場・高層ビルがなくても、用途地域で建築可能であれば、将来建てられる可能性もありますので、用途地域はチェックしておくと良いでしょう。
土地の用途地域 一覧用途地域 | 建てられる建物 |
第一種低層住居専用地域 | 低層住宅のための地域です。小規模なお店や事務所をかねた住宅や小中学校などが建てられます。 |
第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅のための地域です。小中学校などのほか、150㎡までの一定のお店などが建てられます。 |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅のための地域です。病院、大学、500㎡までの一定のお店などが建てられます。 |
第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層住宅のための地域です。病院、大学、1,500㎡までの一定のお店や事務所など利便施設が建てられます。 |
第一種住居地域 | 住居の環境を守るための地域です。3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。 |
第二種住居地域 | 主に住居の環境を守るための地域です。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。 |
準住居地域 | 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。 |
田園住居地域 | 農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。住宅に加え、農産物の直売所などが建てられます。 |
近隣商業地域 | まわりの住民が日用品の買い物などをするための地域です。住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。 |
商業地域 | 銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。住宅や小規模の工場も建てられます。 |
準工業地域 | 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。 |
工業地域 | どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
工業専用地域 | 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
土地探しのコツ
条件を限定しすぎない
土地は一生に一度の買い物となる人が多いため、「絶対に失敗したくない」という考えになりがちです。
条件を絞って、完璧な土地を探し求めているうちに、比較的条件にあっていた土地がどんどん売れてしまうこともあります。いつまで経っても土地が決まらない状況になることも。
条件とは多少異なる土地でも、建築方法でカバーできる可能性もあります。あらかじめ決めておいた優先順位をもとにあまり条件を限定しすぎないことが、良い土地を逃さないためのポイントです。
古家付⼟地もチェック
古家付きの土地も候補に入れると、より選択肢が広がります。建物があるため更地するための解体費用と時間がかかりますが、相場よりも安く購入できる可能性が高いです。
希望にあう土地がなかなか見つからないときには、古家付きの土地もチェックしてみると良いかもしれません。
自分の目で現地を確かめる
ネットで情報を見たり、写真や地図を見ていいなと思った土地でも実際に見に行ってみると印象がだいぶ違うことはよくあります。
気になった土地があったら現地に行って確かめる事が大事です。現地を見てみないとわからないことはたくさんあります。自分の目でしっかりと確かめるようにしましょう。
土地探しの注意点
災害のリスク
土地の購入を検討する段階で、その土地にこれまで災害があったのか、また今後災害のリスクはあるのかを必ずチェックして万が一に備えた家づくりを考えましょう。
国土地理院のハザードマップポータルサイトで住所を入れると災害リスクを調べることができます。
ライフライン
上下水道・ガス・電気のライフラインが敷地内に引き込みされているかどうかチェックしましょう。整備されていない場合は、引き込み工事の費用負担が発生します。
もともと家が建っていた土地では、ライフラインが引き込みされている場合が多いですが、もともとオール電化の住宅だった場合は、都市ガスのガス管が引き込まれていないこともあります。
土地の高低差
高低差がある土地は、土地を整地するための工事が必要となります。
道路よりも土地が低い場合は、大雨や洪水の際に道路から水が流れ込んでくる恐れがあるため、盛土工事をして、道路と同じ高さにする必要があります。
反対に、道路よりも土地が高すぎる場所にある場合、高さによっては土地の斜面が崩れないようにするための擁壁工事が必要になります。
高低差がある土地は相場よりも比較的安価な傾向がありますが、工事などの費用がかかり、トータルの費用で割高になってしまう場合もあるので注意が必要です。
まとめ
今回は注文住宅を建てるための土地探しのコツや注意点について解説しました。
条件が良い土地ほど、すぐに買い手が付いてしまいます。いい土地に巡り合ったときに、チャンスを逃さないようにしっかりと事前準備をして土地探しを進めましょう。
注文住宅の土地探しでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。